クスのキ

日々のちょっとした「クスッ」の気もちを木のように育てる記ろく。

考えない力

長女は中学三年で、高校入学試験まで残り1ヶ月を切ったバリバリの受験生。

 

思春期の受験生、難しい年頃のはずなのに、いたってマイペースで淡々としている。勉強もしているけど、ふと見ると歌ってたりお笑い見てたり、塾のない貴重な夜には家族を誘ってテーブル卓球に熱くなったり。反抗期が激しく、受験期もピリピリしてたナイーブなわたしとは全然違って、拍子抜けしてしまいます。

 

自分と似ていないので不思議でしかたなく、でもうらやましいなあと常々思っていて、思いついたこと。

 

深く考えない、のがいいのではないかと。

 

わたしはよく考えなさい、考えて行動しなさい、って誰に言われたのかそれがあたりまえだと思ってきて、思索に耽るのも悩むのもいいことだと思ってきたんです。周りに気を使うとか、空気を読むとかも。それが美徳だと信じて疑わなかった。

 

でも、長女はあまり深く考えていないように見える。大丈夫?もっとよく考えなさいと言ったことも多いけれど、それで失敗したり後悔したりはほとんどなくて、むしろとても生きやすいように見えます。

 

例えば、お友だちにちょっともやっとすることがあったとしても、「たいしたことじゃない」「〇〇(お友だち)が自分に悪いことをするはずない」「大丈夫」と深く考えず、裏を読んだり悪く捉えたりしない。結局すぐに問題は解決していたりそもそも問題にならなかったりして、淡々と過ぎていく。

 

成績別にクラスが分かれている塾に中学三年から入っても、下のクラスにいるとかを気にしないし、おもしろい子がいるとか、ガツガツ勉強するクラスよりいいと言ったり。

 

志望校を決めるにあたっても、最初A高校がいいと言っていたけどとても無理そうとなると、「じゃあB高校にする」とあっさり。B高校のことを調べて、「やっぱりこっちの方が自分に合ってる」と全然めげない。A高校に行けるように頑張るんじゃないのか!と肩透かしをくらいますが、楽でいいなあと。

 

高校に入ったらあれしてこれして、と試験前から受験に失敗するイメージなど全く持っていない様子。「塾でやれって言われたから」と深く考えず塾でやれと言われた課題は必死にこなす。

 

考えてもしかたないことをずっと考えたり、起こってもないことを心配したり、深く考えすぎて行動できなかったり、そういうことをずっと繰り返してきたわたしには、びっくりする長女の思考。「考えなし」というと批判的ですが、「考えない力」も生きる力だなあと。やるべきことをやって、あとは深く考えない。子どもから生きる知恵を教えてもらうことが多いです。

 

すべての受験生に笑顔の春が訪れますように。